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「アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存」ビデオ

「アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存」

ITSANがvideo abstract作ってくれました。

https://www.youtube.com/watch?v=O82WQR1yo0I

英語の字幕が付いています。

論文が出ました!「アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存」

「アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存」

 Drug Healthc Patient Saf. 2014 Oct 18;6:131-138. にTopical steroid addiction in atopic dermatitis(アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存)という表題で、私たち8名の共著論文が掲載されました。

 下記サイトから無料でダウンロードできます。

       http://www.dovepress.com/articles.php?article_id=18757#

深谷元継 (鶴舞公園クリニック), 佐藤健二 (阪南中央病院皮膚科), 佐藤美津子 (佐藤小児科), 木俣肇 (木俣肇クリニック), 藤澤重樹 (藤澤皮膚科), 堂園晴彦 (堂園メディカルハウス), 吉澤潤 (吉澤皮膚科), 水口聡子 (こうのす共生病院皮膚科)

アメリカ皮膚科学会(AAD)の新ガイドライン[2]には3つの問題があります。そのうちの1番目が、以下の文章です。

1 プロアクティブ療法には隠された意味がある

 ガイドラインには 「近年、同じ個所に頻回に繰り返し再燃する患者に対して、プロアクティブ療法による維持が提唱されている。・・・これは、そのような個所に週一、二回規則的にステロイドの外用を続けるという方法で、再燃の頻度を抑え、保湿剤単独に移行してから最初の再燃までの時間を長くするというものである」[2]。と書かれています。

 いわゆるプロアクティブ療法が紹介されています。これらのプロアクティブ療法の研究[12]-[14]においては、患者の疾患は研究参加前に強いステロイドによってコントロールされました。うまくコントロールされた患者は週1-2回ステロイドを外用するグループ(プロアクティブ療法)と、悪化した時のみステロイドを外用するグループ(アクティブ療法)の二群に分けられ、前者の方が再燃までの期間が長く経済的負担も少なかったです[15]。

 しかしながら、プロアクティブ療法の研究には二つの隠された意味があります。(1)研究の対象となった患者は全員、最初に強いステロイド外用剤で良好にコ ントロールできた患者です。したがって最初の段階でコントロール不良と判定された患者が存在し、そのような患者は研究に含まれていません。(2)プロアク ティブ療法に従えば、患者は理論的に永久にステロイド外用剤から離脱できません。湿疹患者は、とくに乳児や小児では、しばしば自然治癒しますが、そのよう な自然治癒傾向はプロアクティブ療法では想定されていません。
 
 上記の研究においてコントロール不良であった患者の率は10%-20%であり、古 江らの研究11におけるコントロール不良群の率に非常に近いです。著者はプロアクティブ療法がステロイド外用剤の休薬期間を設ける投薬方だという意味にお いて、TSAやRBSSの患者を減らす可能性があることは認めます。しかしこの方法は最初にコントロール不良と判定されたTSAやRBSSを既に発症してし まっている患者たちの役に立つものではないという点は認識されなければなりません。」

3番目が以下の文章です。

「3 治療不足は必ずしも不適切とは言い切れない

 ガイドラインには 「ス テロイド外用剤の慎重な使用は確かに重要だが、ステロイド忌避の結果としての治療不足の認識もまた重要である。・・・ステロイド外用剤のリスクは、適切な 用法と強さの選択を間違えず、不使用の期間をはさむようにすれば、出現は低い。したがって(実際に奏効するよりも)より強いステロイド外用剤が患者によっ ては考慮される。それはリスクよりも有益性のほうが高いからだ」[2]。と書かれています。

 ステロイ ド恐怖による治療不足がここでは議論されています。このようなステロイド恐怖の患者は実際に存在します。患者の中にはステロイド外用剤を使用さえしなけれ ば湿疹は治ると信じる者もいます。実際、アトピー性皮膚炎と言うのは自然治癒傾向をもった疾患であり、ステロイド外用剤はこの自然治癒過程を阻害している かもしれないので、間違っているとは言い切れません[17]。
 
 さらに、患者がステロイド外用剤依存に陥っている場合には、「治療不足」抜きには患者の回復 は有り得ません
 数か月から数年と言った短期の外来診療における経過観察においては、ステロイド外用剤によって「治療不足」の患者を治療するこ とは効果的にみえます。そういう理由から、過去の多くの研究がステロイド外用剤は有用だと結論付けてきました。

  しかしながら、さらに長期的な観点からもス テロイド外用剤は有益なのでしょうか?数十年前に皮膚科医がステロイド外用剤を処方するようになってから、成人性アトピー性皮膚炎患者は増えているではあ りませんか?なぜアトピー性皮膚炎患者だけがステロイド外用剤の使用に不満を訴えたり不安を感じたりするのでしょうか?

 皮膚科医がこれらの疑問 に明確に答えることが出来ない以上、アトピー性皮膚炎患者には、医学的に十分な情報提供を受けた後に、彼ら自身で治療法を選択し決定する合理的な権利があ ります。ステロイド外用剤は、患者が依存に陥っていない場合に、少なくとも短期的には有用ということです。したがって「治療不足」への過剰な警告は患者の 治療法選択の権利を侵すものであり、そのような患者は疾患の治療に真剣に取り組んでいないのではないかという社会の誤解を招くものです。」

皆様にお願いです。上記論文を可能な限り各方面へ多く紹介・リンクしてくださるようにお願いいたします。

外来小児科学会ワークショップ「赤ちゃん・子どものアトピー治療、ステロイドは必要不可欠なものか?ステロイドフリーの治療を考えよう」

2014年8月末の外来小児科学会ワークショップ「赤ちゃん・子どものアトピー治療、ステロイドは必要不可欠なものか?ステロイドフリーの治療を考えよう」

 マイナーな治療に対して、ワークショップ開催を了承してくださった学会理事の方々に感謝申し上げます。

 当初、参加者がどのぐらいか読めなくて、定員30名としました。ネット申し込みで1~2日で定員に。当日参加も含めて50人を超える方々が参加してくださいました。

 参加された方々は、医師、看護師、薬剤師、保育士、事務等多岐にわたっていました
 みなさんに共通することは、ステロイドを使いたくないという患者がいるということです。説得しきれず、受診されなくなる患者も経験されています。そういう方に何かできないかという気持ちで参加された方が多かったようです。

 今回は、阪南中央病院小児科の中田先生、小児科病棟の房本看護師長、石崎看護師の協力があり、内容が深まったように思います。

 まず、佐藤美津子から「アトピーの自然経過」ということで、ステロイド外用剤が使用される以前は大人になるまでに「治癒」していたという事を、皮膚科の教科書、様々な調査で説明しました。さらに、良くなった患者数名を供覧。

 次に、阪南中央病院皮膚科佐藤健二から「乳児ADの外来治療」(AD=アトピー性皮膚炎)説明し、ガイドラインの治療では難治化症例多発。その原因はステロイド。非ステロイド皮膚科外来治療の説明。

 診療所での外来治療を佐藤美津子が説明。問題は①4ヶ月過ぎた母乳栄養、摂取量と内容不十分(蛋白不足と脱水)②皮疹に囚われすぎ:自由に掻かせる、離れて寝かせる、焦らない、抱っこを少なく運動、外出で気分転換、患者の集まりに参加等説明。

 ついで入院治療を佐藤健二から。入院が必要になる原因は、①ステロイド・プロトピックの外用②アレルギー原因説③掻破抑制④清潔志向⑤育児の考え方。入院乳児の最大の問題点は低アルブミン血症でその治療内容を示す。

 ついで、阪南中央病院小児科中田先生から「入院治療での小児科医の役割」について説明。①電解質異常は輸液で補正、低蛋白血症は腹水・胸水あればアルブミン点滴、感染の全身管理②食物アレルギーは、特異IgE抗体との相関不十分で、不要な除去を回避し、離乳食など栄養摂取推進③上記に注意し、成長障害を予防。入院時、粗大運動的な運動発達遅延症例はあるが、アトピー改善とともにキャッチアップしていき、今までの症例では発達障害が残った子どもはいないステロイド離脱が虐待と捉えられない為に地域小児科病院・医師との連携が必要。ステロイド剤無しでも改善することを知って頂く。また、血液検査で食物アレルギーを判断することについては問題がある。

 最後に房本看護師長から、「入院親子の特徴と看護師の関わり」について話していただきました。入院数は、5年で157人(男89女68:1歳以下72)。入院時1歳以下では、総蛋白は98%、アルブミンは73%が基準値以下。患児の特徴:母乳のみ飲む、哺乳瓶で飲まず、食事制限で離乳食進まず、体格・運動発達遅延。母の特徴:ステロイドに疑問、母乳栄養希望、理解者が少なく孤独、医療機関に不信。離乳食の食べさせ方、ミルクの飲ませ方等、あやし方等、一緒にしていく。湿疹のない子と同じように育てることが重要

 経皮感作について、茶のしずく石鹸のアレルギー発症は、患者1800人ほどの内、1割程度で、ADの人口中の率と変わらないのでADで多いとは言えない。

 最後みなさんに感想を一人一人伺いました。「目から鱗」「栄養状態が重要だという事が分かった」あるいはご自分がアトピーで脱ステをされた方も。ご家族がアトピーの方もおられました。

 ステロイドフリーの治療がどういうものかを知って頂く活動がさらに必要だと感じました。

プロフィール

佐藤美津子

Author:佐藤美津子
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赤ちゃんや子どものアトピー・乳児湿疹にステロイドを使わない治療をしています。連れ合いと共に広めていきたいと思います。
出身は和歌山、梅で知られているみなべ町。大学入学後、大阪に移り住みもうすっかり大阪人。

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