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九州大学エビデンス集およびプロアクティブ治療

これは外来小児科学会ワークショップ「ステロイドフリーのアトピー治療を考えよう」に参加される方たちへのメールです。
このブログを読んでいただいている方たちにもぜひ目を通していただけたらと思います。

 「アトピー性皮膚炎―よりよい治療のためのEBM データ集― 」(http:__www.kyudai-derm.org_atopy_ebm_index.html)をみてみましょう。

 医療関係者向けのステロイド外用剤についての論文が掲載されています。
http://www.kyudai-derm.org/atopy_ebm/04/index.html

 ステロイドの短期的効果については誰も異議を挟まないと思います。上記のエビデンス集をこの際、一度見てみましょう。どなたも時間が無いと思いますが、論文についても日本語でまとめてくれています。(ほとんど同じですので、一つ二つみるだけで十分です。)

 東京成育医療センターの大矢医師のまとめでは「ステロイド外用剤がアトピー性皮膚炎の治療に有効であることは疑う余地がないが、ステロイドの種類によって随分効果に差があるため、ステロイド外用剤なら何でも水準1のエビデンスがありアトピー性皮膚炎の治療に有効であるという結論を導くことはできない」と書かれていますが、ほとんどのステロイドは優位にアトピーを改善しています。

 しかし、この実施期間をみてください。たいてい1週間か長くて4週間の期間での調査です。ステロイドを使いたくないという患者たちは、短期的効果ではなく、長期的効果について知りたがっています。

 「寛解導入後に週2日や3日といった間欠投与のProactive Therapyによって副作用の回避と寛解維持を目指す」というプロアクティブ治療についても論文がありますが、これも長くて6か月という論文が多いです。子どもでも、1年・・・数年塗ってどうかというエビデンスは無いと言えるでしょう。週2回塗布するプロアクティブ治療では、ステロイドを使っても3割ぐらいが再発する論文も多いようです。(ステロイドVSステロイドのNo.6の上から3つ目の論文をみてください。Van Der Meerの論文です。)
 
 ここでいうプロアクティブ治療は、週二回という外用回数に大きな意味があるのであって、緩解期の軽度の皮疹をも、しっかりとステロイドで抑え込むという事ではないようです。要するに、皮疹が軽度の場合には、ステロイドの外用は、毎日ではなく週二回で十分だという事です。

 東京成育医療センターアレルギー科の「スキンケア実施表」を患者さんから見せていただきました。ここはプロアクティブ治療で有名な病院です。これを読むと、成育医療センターの治療の目標はつるつるの状態を保ち続けるという事だと考えられます。ですから、本来のプロアクティブ治療とは少し意味合いが変わっています。

ステップ1からステップ7まで記載されています。

 ステップ1は寛解導入期で、「痒みがある湿疹が完全に消え、触ってつるつるになるまで」毎日朝夕2回ステロイドを塗ります。
この具体的な期間は書いてありませんが、恐らく人によるでしょう。

 ステップ2から減量期に入ります。

ステップ2ではステロイド3日間保湿1日となっています。これを3クール、12日間。ステップ3は3クール、9日間。ステップ4、5は4週間。ステップ6になると、保湿5日と、ステロイドを月木というように週2回塗る状態がしばらく。ステップ6後半ではステロイドは週2回ですが夜のみになります。これがしばらく。ステップ7では保湿6日とステロイド夜のみ1日をしばらく。
計算すると、ステップ6までには3か月ぐらいかかります。その後はどうなんでしょうか?ステップ6からの「しばらく」が1か月だと仮定すると、ステップ7の終わりまでに6か月かかるという事になります。

 再発時の対応も詳しく書いてあります。湿疹部のみステロイドを塗る、改善すれば保湿と交互に1週間、徐々に周囲と同じ塗り方に。いつも同じ部位が再発するなら、その部位のみ最初の段階に戻るという塗り方です。再発すると再発部位以外は恐らく再発した時点の治療の状態でとどまっていると思うので、どれだけの時間がかかるのでしょうか?
報告を待ちたいところです。

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プロフィール

佐藤美津子

Author:佐藤美津子
FC2ブログへようこそ!
赤ちゃんや子どものアトピー・乳児湿疹にステロイドを使わない治療をしています。連れ合いと共に広めていきたいと思います。
出身は和歌山、梅で知られているみなべ町。大学入学後、大阪に移り住みもうすっかり大阪人。

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