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世界仰天ニュースへの皮膚科学会学会などの批判について思うこと

阪南中央病院皮膚科部長 佐藤健二先生のフェイスブックより

世界仰天ニュースへの皮膚科学会学会などの批判について思うこと

抗議文は間違った科学的説明で世間を惑わしたと言って批判していますが、ステロイドを止めれば悪化したこと、そして時間はかかったが非常にきれいになったことについては全く触れていません。
 元の病気は酒さ様皮膚炎で、これへの治療はガイドラインでも普通の皮膚科の教科書でもステロイドの中止と出ています。これらのことについてなぜ何も言わないのでしょうか。

 9/7の放送では、ステロイド外用で副腎からのステロイド産生が減り、ステロイド中止でステロイドがなくなったために酷い症状になったとの解説ですが、全身に大量に塗ると起こる現象です。これはガイドラインにも記述があります。しかし顔面程度への外用では起こりにくいことは事実です。放送での、現象の説明の誤りは確かに問題ですが、それよりも、外用中止で悪化したこととゆっくり待てば改善したという事実を無視することの方がもっと大きな問題と思います。
 
 科学は事実を説明することが使命で、事実を無視することは科学の基本を逸脱していると思います。批判文を出した各学会などはこの点をじっくり考える義務があるように思います。
 
 2017年にネズミでですが、皮膚でステロイドが作られることが証明されました。人間の皮膚でもステロイドホルモンを作る全ての酵素の存在が証明されています。
 このことが分かれば、皮膚に人工のステロイドを外用すればフィードバック機構で皮膚でのステロイド産生が抑制され、ステロイド外用を中止すればステロイド産生が間に合わず皮膚ではステロイド不足で炎症が起こることはごく普通に考えられることだと思います。このような説明をしておれば学会も批判はできなかったのではないかと思います。

 2021年1月にはイギリスで国立湿疹協会とイギリス皮膚科学会が、アトピー性皮膚炎で治りにくい症例についてはステロイド離脱も一つの治療であることを表明しました。日本の学会は遅れているように思います。

以上、佐藤健二先生のフェイスブックから。


9月7日の仰天ニュースでは放送の一番初めに「ステロイド薬とは、副腎皮質や表皮細胞で作られるホルモンを薬に応用したもので、強力な免疫抑制作用や抗炎症作用がある。」との発言を聞いたという方もおられます。また、この方はアトピーではないと宣言されていて、ユーチューブを見ると、酒さ様皮膚炎との診断だったみたいです。https://www.youtube.com/watch?v=Q2Rtetminwg また、このユーチューブには、「【閲覧注意】脱ステロイド・脱保湿、肌再生までの記録(アトピーじゃないです)」という言葉は下の欄に最初から最後まで記載されています。
 酒さ様皮膚炎は、ステロイド中心の標準治療でも、ステロイドを止める治療となります。
プロフィール

佐藤美津子

Author:佐藤美津子
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赤ちゃんや子どものアトピー・乳児湿疹にステロイドを使わない治療をしています。連れ合いと共に広めていきたいと思います。
出身は和歌山、梅で知られているみなべ町。大学入学後、大阪に移り住みもうすっかり大阪人。

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