「あの日お会いすることが出来なかった「脱ステ」ママへの手紙」批判
「あの日お会いすることが出来なかった「脱ステ」ママへの手紙」
https://www.buzzfeed.com/jp/atsushiotsuka/atopic-dermatitis-steroid 批判
皮膚にもステロイド産生能がある。ということは、ステロイド依存症が皮膚に起こり得ることを示唆する。
大塚京都大学医学部特定准教授(皮膚科兼任)が書かれた「手紙」がツイッター上をにぎわしている。
大塚先生が脱ステママに対して、どう答えるべきか?
それは言い訳や脅しやママの考えが間違っているということではない。
それほどまでに考えているなら、非ステ治療をしてみましょう。
あるいは、非ステ治療に精通している病院を紹介しましょう。
という言葉だ。阪南中央病院皮膚科が脱ステ治療をしているのは、ご存じではないと言われるのでしょうか?
非ステ治療ができないなら、学習すればよい。
決して「これまで大変でしたね。あとは専門家に任せてください」という言葉ではない。
これこそ、医師の思い上がりだ。
こういう医師のところには、脱ステママは相談に行かないだろう。
実際、京都では総合病院小児科で、非ステ治療をされたところもある。
関東、東北、九州、沖縄等の医療機関で、患者の希望で阪南中央病院皮膚科への紹介状を書かれた病院も多数にのぼる。最近は、全世界的に、脱ステ・脱保湿治療が広まっており、東南アジア、韓国、アメリカ等からセカンドオピニオンを求めて阪南中央病院に相談に来られる方も増えているそうだ。
①脱ステママの考えは間違いだと大塚先生は書かれている。大塚先生は、
がんばったねと言いながら、中身は間違っていると言う。
ステロイドへの誤解ではなく、正しい知識を持ってもらい、しっかり塗ってもらう。
ステロイドに関するあらゆるデマのすべてに反論を用意している。
正しく使えば怖くないのに、なぜ使わない?
だから専門家に任せなさい。
やり方は間違っていたかもしれないが、お母さんなりに頑張ってきたから、愛情ま
で否定しない。
と、様々な言い方をしている。
要するに、今まで頑張ったね。でも考えは間違っているよ。専門家に任せなさい。ということだ。
いかがでしょうか?脱ステママの気持ちに沿った対応でしょうか?
②慎重に正しく使えば副作用なく効果が得られる(よく言われるフレーズ)
まぶたには長期間塗るのは避けたほうが良い→緑内障が起こり得る。
顔には2週間以上継続して塗らない。
顔に塗る期間についてはある程度評価できる。しかし、これを守っている医師はどれ位いるだろうか?
以前、H病院を受診した0歳の子は、1か月顔にリンデロンを塗ると説明を受けた。皮膚科専門医に。
慎重に正しく使う?どういう使い方なんだ?
③ステロイド以外の武器が増えた
20年前、顔に強いステロイドを塗って起こる酒さ様皮膚炎はプロトピックで減少
デュピクセント(http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067283.pdf(デュピルマ
ブ))の注射がある。
プロトピックは2歳以上が対象。デュピクセントは成人難治性患者が対象。
0歳の赤ちゃんに対して、いつまで治療を続けさせるのか?以前、すくすく子育てで、東京成育医療センターの大矢先生は、「小学校まで頑張ってくれたら」と発言されていたのを思い出す。
大塚先生は、ご自分の治療成績を明らかにすべきだろう。
また、今ではさらに強いステロイドが処方される時代になっている。6~7年前感染症で大阪市の大病院に入院した子は、顔にはリンデロン、体にはアンテベートだった。
佐藤小児科等7か所の医療機関で、6か月間非ステ治療をしたところ、2歳未満児の24%が完全寛解となった。比較した九州大学皮膚科古江先生の6か月ステロイド治療では、0%だった。https://www.dovepress.com/articles.php?article_id=27740
④見た目がきれいになっても塗り続けるプロアクティブ治療→うまくいくと保湿剤のみへ→アトピー専門医なら、きちんと説明
では、この成績もぜひ教えてほしい。
2015年外来小児科学会年次集会で、成育医療センターの医師が、親の「ステロイド外用剤への不安度調査」を発表された。243人中8割が、ステロイドに対して安心感を必要としていた。うまくいっているのだろうか?
⑤治らなかったママ自身への言い訳
ステロイドにまつわる嘘とデマをかき消すので精いっぱいだった。治らない人を見て見ぬふり。若かったせいで医者として未熟 だった。
なるほど、だからきちんとした治療が出来なかったとでも?
こんな言い訳が通用すると思っているのだろうか。
⑥脅し:薬を使わないと、怖いことが→目をこすったり叩いたりすると、白内障になる
このデータも出して欲しい。
私も、湿疹を叩くという指導はしない様に親御さんに言っている。
自由に掻かせると、案外掻かなくなる。
今まで、当院でステロイド無しで診察した子で、白内障を合併した子どもは記憶がない。
白内障は若い成人期の方に多い。
当院では、子どもの時代に圧倒的多数が治療が完了するので、白内障にはならないのかもしれない。
⑦間違った考え→皮膚が黒くなる
子宮にたまる
確かに間違った考えだ。
だけど、ステロイドを使いたくないという考えの方が、全員こう思っているわけではない。
⑧脅し:突然長期使ってきたステロイドを止めるのは危険→急激な悪化
カポジ水痘様発疹症→脳炎・髄膜炎
急激な悪化の理由は何か?
という点についての説明がない。
最近、皮膚にもステロイド産生能があるということが分かってきた。
http://atopic.info/satokenji/2017/11/
ということは、皮膚単独で、外用ステロイドのために、皮膚の副腎不全が起こっている方だと、外用ステロイドを突然中止すると、離脱症状が出るという説明ができる。アトピーの悪化ではなく。
勿論、副腎不全は起こる人もいるし起こらない人もいる。
急激に悪化するとき、副腎皮質ホルモンが作られない状態では、感染症が一番問題になる。細菌感染やカポジも多く見られる。ただ、早期の適切な治療で感染はコントロールできる。脳炎・髄膜炎の経験は無い。経験がないからと言って油断はできないが。
大塚先生の「手紙」を読んで、多くの事が書かれているが、そのほとんどは根拠がない。脅し、言い訳、ソフトな文言。言いたいことは、ただ一つ。「ステロイドを使いなさい」ということだ。
ステロイドを塗る先生方も、正しい事だと信じて、治療されているだろうと思います。私も、命の危機時にはやむを得ないと思いますが、命の危機が去れば、止める選択も考えないといけないのではないかと思っています。延々と続く治療が、皮膚でのステロイド依存を生み、止めることが非常に困難になる前に。
じっくり、患者に向き合って、彼らの話を真摯に聞くことから、患者との信頼関係が始まるのだろう。
https://www.buzzfeed.com/jp/atsushiotsuka/atopic-dermatitis-steroid 批判
皮膚にもステロイド産生能がある。ということは、ステロイド依存症が皮膚に起こり得ることを示唆する。
大塚京都大学医学部特定准教授(皮膚科兼任)が書かれた「手紙」がツイッター上をにぎわしている。
大塚先生が脱ステママに対して、どう答えるべきか?
それは言い訳や脅しやママの考えが間違っているということではない。
それほどまでに考えているなら、非ステ治療をしてみましょう。
あるいは、非ステ治療に精通している病院を紹介しましょう。
という言葉だ。阪南中央病院皮膚科が脱ステ治療をしているのは、ご存じではないと言われるのでしょうか?
非ステ治療ができないなら、学習すればよい。
決して「これまで大変でしたね。あとは専門家に任せてください」という言葉ではない。
これこそ、医師の思い上がりだ。
こういう医師のところには、脱ステママは相談に行かないだろう。
実際、京都では総合病院小児科で、非ステ治療をされたところもある。
関東、東北、九州、沖縄等の医療機関で、患者の希望で阪南中央病院皮膚科への紹介状を書かれた病院も多数にのぼる。最近は、全世界的に、脱ステ・脱保湿治療が広まっており、東南アジア、韓国、アメリカ等からセカンドオピニオンを求めて阪南中央病院に相談に来られる方も増えているそうだ。
①脱ステママの考えは間違いだと大塚先生は書かれている。大塚先生は、
がんばったねと言いながら、中身は間違っていると言う。
ステロイドへの誤解ではなく、正しい知識を持ってもらい、しっかり塗ってもらう。
ステロイドに関するあらゆるデマのすべてに反論を用意している。
正しく使えば怖くないのに、なぜ使わない?
だから専門家に任せなさい。
やり方は間違っていたかもしれないが、お母さんなりに頑張ってきたから、愛情ま
で否定しない。
と、様々な言い方をしている。
要するに、今まで頑張ったね。でも考えは間違っているよ。専門家に任せなさい。ということだ。
いかがでしょうか?脱ステママの気持ちに沿った対応でしょうか?
②慎重に正しく使えば副作用なく効果が得られる(よく言われるフレーズ)
まぶたには長期間塗るのは避けたほうが良い→緑内障が起こり得る。
顔には2週間以上継続して塗らない。
顔に塗る期間についてはある程度評価できる。しかし、これを守っている医師はどれ位いるだろうか?
以前、H病院を受診した0歳の子は、1か月顔にリンデロンを塗ると説明を受けた。皮膚科専門医に。
慎重に正しく使う?どういう使い方なんだ?
③ステロイド以外の武器が増えた
20年前、顔に強いステロイドを塗って起こる酒さ様皮膚炎はプロトピックで減少
デュピクセント(http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067283.pdf(デュピルマ
ブ))の注射がある。
プロトピックは2歳以上が対象。デュピクセントは成人難治性患者が対象。
0歳の赤ちゃんに対して、いつまで治療を続けさせるのか?以前、すくすく子育てで、東京成育医療センターの大矢先生は、「小学校まで頑張ってくれたら」と発言されていたのを思い出す。
大塚先生は、ご自分の治療成績を明らかにすべきだろう。
また、今ではさらに強いステロイドが処方される時代になっている。6~7年前感染症で大阪市の大病院に入院した子は、顔にはリンデロン、体にはアンテベートだった。
佐藤小児科等7か所の医療機関で、6か月間非ステ治療をしたところ、2歳未満児の24%が完全寛解となった。比較した九州大学皮膚科古江先生の6か月ステロイド治療では、0%だった。https://www.dovepress.com/articles.php?article_id=27740
④見た目がきれいになっても塗り続けるプロアクティブ治療→うまくいくと保湿剤のみへ→アトピー専門医なら、きちんと説明
では、この成績もぜひ教えてほしい。
2015年外来小児科学会年次集会で、成育医療センターの医師が、親の「ステロイド外用剤への不安度調査」を発表された。243人中8割が、ステロイドに対して安心感を必要としていた。うまくいっているのだろうか?
⑤治らなかったママ自身への言い訳
ステロイドにまつわる嘘とデマをかき消すので精いっぱいだった。治らない人を見て見ぬふり。若かったせいで医者として未熟 だった。
なるほど、だからきちんとした治療が出来なかったとでも?
こんな言い訳が通用すると思っているのだろうか。
⑥脅し:薬を使わないと、怖いことが→目をこすったり叩いたりすると、白内障になる
このデータも出して欲しい。
私も、湿疹を叩くという指導はしない様に親御さんに言っている。
自由に掻かせると、案外掻かなくなる。
今まで、当院でステロイド無しで診察した子で、白内障を合併した子どもは記憶がない。
白内障は若い成人期の方に多い。
当院では、子どもの時代に圧倒的多数が治療が完了するので、白内障にはならないのかもしれない。
⑦間違った考え→皮膚が黒くなる
子宮にたまる
確かに間違った考えだ。
だけど、ステロイドを使いたくないという考えの方が、全員こう思っているわけではない。
⑧脅し:突然長期使ってきたステロイドを止めるのは危険→急激な悪化
カポジ水痘様発疹症→脳炎・髄膜炎
急激な悪化の理由は何か?
という点についての説明がない。
最近、皮膚にもステロイド産生能があるということが分かってきた。
http://atopic.info/satokenji/2017/11/
ということは、皮膚単独で、外用ステロイドのために、皮膚の副腎不全が起こっている方だと、外用ステロイドを突然中止すると、離脱症状が出るという説明ができる。アトピーの悪化ではなく。
勿論、副腎不全は起こる人もいるし起こらない人もいる。
急激に悪化するとき、副腎皮質ホルモンが作られない状態では、感染症が一番問題になる。細菌感染やカポジも多く見られる。ただ、早期の適切な治療で感染はコントロールできる。脳炎・髄膜炎の経験は無い。経験がないからと言って油断はできないが。
大塚先生の「手紙」を読んで、多くの事が書かれているが、そのほとんどは根拠がない。脅し、言い訳、ソフトな文言。言いたいことは、ただ一つ。「ステロイドを使いなさい」ということだ。
ステロイドを塗る先生方も、正しい事だと信じて、治療されているだろうと思います。私も、命の危機時にはやむを得ないと思いますが、命の危機が去れば、止める選択も考えないといけないのではないかと思っています。延々と続く治療が、皮膚でのステロイド依存を生み、止めることが非常に困難になる前に。
じっくり、患者に向き合って、彼らの話を真摯に聞くことから、患者との信頼関係が始まるのだろう。